副会長 塚崎 康之
(保険部 柔道部 救護ボランティア部担当)
この度の役員改選におきまして理事の信認をいただきありがとうございました。保険部より異動があり副会長(保険・ボランティア・柔道)を拝命いたしました。この2年間、会員皆様のお力になれるよう尽力致しますので宜敷お願いします。
ご存じのように柔道整復師の保険収入は10年前の半分以下となっています。ここ3年は新型コロナ感染症により、どの業界も大打撃を受け、我々も同様に、大きな影響を受けましたが、徐々に回復の兆しを見せています。
また保険者による行き過ぎた患者調査、明らかな受療抑制も見受けられましたが、この4年間、行政、保険者を会長とこまめに回り、ある程度のご理解を本会会員には得られています。5月も県内保険者より患者調査が行われているとの報告がありましたが、直ちに実態調査を行い、平成30年の厚労省通知に基づき改善されるように申し出を行ったところ、保険者にご理解をいただきました。このような一つ一つを積み上げて、地域住民の方が来院しやすい、受療がスムーズに行える環境を作ることが社団の使命と考えます。
しかし柔道整復師が社団の会員だけでは無いことも事実ですし、保険の取り扱いに若干の違いはあっても、同じ国家資格であり、行政や保険者は区別して扱ってはくれません。岡山県においても半数の方は個人契約であり、施術の実態が十分把握できないこと、注意喚起ができないことで、保険者等からの真の信頼を得るには長い道のりと思えます。
ところで日本柔道整復師会は新しく生まれ変わりました。紆余曲折ありましたが、全ての柔道整復師のために公益社団は動かなければなりません。新しい執行部に長尾会長、本県山﨑会長も理事として最も重要なポジションとなり、今まで鬱滞していた保険者、行政との協議を加速させるものと思います。
その一つに、柔整師の社会的なポジショニングがあると考えています。将来の保険医療制度の中で我々の地位を築くことができるのか、このまま「狭い範囲の保険適応」で頑張るのか。もちろん「自費施術」の部分を伸ばす、という考えもあります。
ですが、岡山市では在宅医療・介護等の円滑な情報共有を進めるため、ICT連携ツールであるMCS(メディカルケアステーション)を共通ツールとして活用を始めます。「地域医療連携は、地域の医療機関がそれぞれ持っている医療機能や専門性を活かして役割を分担し、医療機関同士が協力をして連携を図りながら患者さんに適切な医療をその地域で提供することです。多職種の連携がうまくいくことで、医師や看護師だけではできなかった医療やケアを分担することができます。」とされています。
つまり地域医療連携に参入できなければいつまでも「狭い範囲の保険施術」であり、収入の拡大は期待できません。これを現実にするには、政治的な介入が必要となり、それを実現するには会員皆さんの協力が必要です。誰かがしてくれるとの思い違いをされているのであれば、今まで通りジリ貧を覚悟するしかないと私は思います。
目先の利益にとらわれず、会員が団結して動けば将来可能となる事項も多いことをご理解下さい。我々の収入を上げ、生活を守るためには、会員皆さんで問題意識を共有し、将来に備えた対応を考えていきましょう。一致団結すれば将来は明るいと思います。